Kaguyatom

(Explicit)

いいアルバムの話

 

 おひさ!Kaguyatomだよ

 みんな元気してる?

 

 ところで、何回かやったその年で個人的に好きだったアルバムを紹介する企画『ゆくアルバム、くるアルバム』(通称ゆくくる)は結構書くの大変でめんどくさくなってしまったのでやってなかったんですが、暇だしなんか書くかといったところです

 

 


 

 いいアルバムの話

 

 いいアルバムなんですが、まあ今年というか2021年でめちゃくちゃ聴いたのがDUCKWRTH(ダックワース)というアーティストの『SG8』というアルバムで、もともとは日課Youtubeディグ中に"Bernal Heights"という曲を見つけたのがきっかけで聴き始めたアーティストです

 

 

 この曲は後半ビートスイッチが入ってオサレソングが暗くなるのがよくて、まあリリカルさとかはもちろんジェイ・コールとかケンドリック・ラマーとかとは比べるまでもないとこではあるんですけど、まあジャンルがちょっと違うよねって感じで、音楽好きとしては完成度高い曲は問答無用で好きだよね

 

 そもそも2020~現在はロナ(心がアメリカ人なので、コロナのことを「ロナ」と呼んでいる)の影響でアーティストたちはめちゃくちゃ制作を頑張っているわけで、腐るほどアルバムも出たし全部チェックするのはキツイなってところもありました。そんななかだとやっぱり好きなアーティストの新譜をチェックするくらいで、新しいアーティストを見つけるとかはめんどくさくてできないワケ

 

 それはそうとアルバムの話に戻りますが、『SG8』はたぶんほんとに全部2021年中に制作されたアルバムなんだろうなって感じがあるんですよね。いやEPに近いか。というのも、2020年に『SuperGood』というアルバムを出したところだったので、一年ほどで『SG8』をリリースしてるってワケです。ツアーもなくなってしまったんやろな

 

 ダックワースは元々『an XTRA UUGLY Mixtape』(2017)ってアルバムがめちゃくちゃかっこよくて、正直その次の『THE FALLING MAN』はあんまおれには刺さらなかったけど、オサレヒップホップ路線で十分に評価されてないアーティストの一人ですね。チャンス・ザ・ラッパーとかのニューシカゴ系っぽいところもあるけど、全然西海岸の人だからタイラー・ザ・クリエイター系ですね。ちなみにDJやるときに"BOY."とかかけるといい感じでフロアが揺れてくれるんだよな

 iTunes上ではヒップホップ/ラップというジャンル分けされてるけど、聴いてる感じポップでしかないぞ。ここら辺は最近のタイラーも同じだけど

 

 『SG8』のヒットチューンというかラジオチューンでいうと、"No Chill"とか"4K"あたりですけど、

 

なんだかんだ1曲目の"We Outside"が好きだったりします。

 この曲クッソ短いし、バースとかもうワンバースしかないしコロナのストレスで突発的に作った感あるけど、オシャレさが凝縮されてていい

 ちょうどリリースのタイミングがワクチン出てきた時だったし、サビのとことか「もう自粛しなくていいんだぜ」としか言ってないところからしても急遽作ってアルバムに入れた感じあるんだけど、逆にそれが”素直さ”みたいな部分になってて、誰もが共感できる部分でもあるからいい。この共感がヒップホップ要素なのかもしれない

 

 あと、"Mask Off (Feelings)"もかっこいいからみんな聴いてくれ。おれは思わずレコード買ってしまったくらいには好きです。注文して半年くらい経つけどまだ届いてない

 

 ちなみに、ライブ映像とかもYoutubeにあるけど、歌自体はめっちゃうまいとかはなくて、フランク・オーシャンみたいな雰囲気で押し切る感じです。でもツアー映像みる感じ、音とか割れててちゃんとしろよって思った部分あるけど、この雰囲気も多分"We Outside"で言ってた

So pull up at 9
And if you want, you can go tell a friend

ってとこの「クラブで遊ぼうぜ」「友達もつれて来いよ」のとこを表現してるのかな、と深読みしたりできる

 


 

 まあこんなところでいいアルバムの話おわりです。また暇出来たら書こうと思います。いや正直ずっと暇なんだけど、書くことがあってやる気が出たら書く

 

おわり

 

哲学

 

 お久しぶりです。Kaguyatomです。お久しぶりです

 

 2020年はいろいろな人にとってターニングポイントになった年かと思います。コロナウィルスの流行で満足に職場・学校に通えていなかったり、もしくは経営に困ったりといったことが往々にして起こっていると思います。僕にとってもそれは同じで、音楽活動に集中するため、お世話になっていた職場を離れ、地元である群馬県前橋市へと拠点を移しました。仕事を失ったことで、僕の収入は今や継続している予備校のアルバイト以外には、雀の涙ほどの音楽活動からの収入に留まっています。しかし、活動を続けていたおかげで、今では地元のカフェ・バーでビートライブを行うことができていますし、同じように音楽活動をしている友人とも知り合うことができました。そういう意味では、今年は良くも悪くもとても大きなターニングポイントであったと思います

 

 ただ、それは世間話です。個人的な変化としては精神的な面の方が何倍も大きいと感じています

 

 今年の3月に地元に帰省してきたわけですが、それには家賃を払えるかわからない、仕事を続けられるかわからない、場合によってはアルバイトと並行しなくてはいけないかもしれない、それに加えて音楽もバスケットボールも、留年した大学にも通わなくてはいけない、など様々な要因があったことは事実です。しかしこの決断をするに至った一番の理由は、自身の意識改革にあります。職場の上司に「お前は全部中途半端。音楽もバスケも仕事も、やっているようでやっていない。そろそろ自分の意志で、やりこむ決断をした方がいい」と言われ、それまで全部中途半端に、言われるままにやってきた仕事と音楽とバスケットボールと、自分の状況を考えたときに、改めて自分の主体性のなさに気付かされた、というわけです。ここまで言われて初めて、「自分が本当にやりたいことは何か」を深く考えるに至ったのです。1か月ほど、考えられる利益や周囲の目など、徹底的に他の要因(ここにおいては、雑念)を排除して、自分と対話し続ける日々が続きました。これは思っていたよりも大変な作業で、闘いであって、メンタルへの影響も多大にありましたが、ある種瞑想のようなもので、1歩進むごとにすっきりするような、そんな作業でもありました

 

 アルバイトの話をします。大学3年から、受験の際お世話になった予備校にて学生チューターとしてアルバイトを始め、かれこれ4年目になりました。1年のうち大体8~9か月は英語を教えていますが、毎年7月頃から主にAO推薦試験に臨む高校3年生の生徒の対策をお手伝いするのが通例となっていました。毎年毎年、受ける大学とその学部・学科によって志望理由が変わる(これも、当然のことですが)生徒を10人20人と面接対策を行って、そのたびに生徒に聞いていた、言っていたことがあります。「それは本当にやりたいことなの?本音で言ってるの?」です。高校生というのは多感な時期ですし、少しずつ社会やヒトを知っていく中で、自分の意志だけで予備校に通うと決め、志望校を決め、将来やりたいことのビジョンもある、という人の方が少ない、というのが現実であることも、わかっています。場合によっては、それまで行ってきた準備やライフ・プランニングに水を差す(もしくは破壊する)結果にもなりかねないことです。アルバイトの分際で言うべきことではないでしょう。でも、なんとなく親や学校、ひいては予備校の意志に従って、自分を殺してほしくない、そして、主体性を持つということに価値を見出だしてほしい、そうすることで、社会においてもより重要な役割を果たせるかもしれないし、人としての魅力も増すかもしれない、という自分なりの信念に則って指導していたわけで。自己との対話は、どんな人であっても必要なことだと思っているからです。自己との対話の末に主体性が生まれ、そして自己批判や知性に繋がるものです。これは、自分が鬱っぽくなっていた大学3年時に学んだことでした

 

 マイケル・ジャクソンは『マン・イン・ザ・ミラー』で、ジェイ・コールは『チェンジ』で言っていたことですが、「社会を変えたければ自分を変える」必要があります。自分を変えるためには、自己批判の精神と、批判をするだけの知性とが必要なのだと思います。こういう学びがあるところが、おれがヒップホップを聴く理由

 

 自己との対話は、いわゆる自由思考と同じで、時間と余裕があるときにしかできません。何かに追われていたり、別の作業をしているときにはできないことです。何かの本で読んだことですが、知識と思考は対極にあり、知識は日常で役に立ちますが、何か未曽有の事態に直面したときには思考が必要です。その本には、「世界を救うのは常に志向の結果であった」的なことが書いてあったと記憶しています。このことからも、思考することの重要性がわかるかと思います

 

 と、ここまでで僕の中に矛盾があることに気が付いたと思います。主体性を持つことと、自由思考が人生において重要であるにもかかわらず、3月までの自分はそれをすっかり忘れて、自分がやりたいこともわからなくなっていたということになります。自分が指導するときは偉そうに「なにをやりたいの?」と聞いていたにもかかわらず、です。同時に、この原因がどこにあったかも、理解できます。昨年、仕事とバスケと音楽と学校とバイトと、あらゆるものに忙殺され、毎日3~4時間だけ寝て、それ以外は何かしらやっていたので、自己との対話を怠ったこと、そして、やるべきこと(人に言われたこと)をこなすことに集中していて、結果として、時間のマネージメントもできず、どれも中途半端に終わってしまい、思考することを放棄していたからです。わかっていたことを再確認するのに1年かけてしまったことには後悔しかありませんが、必要な時間だった、と割り切るしかないでしょう

 

 こうしてこのブログを書いているのも思考の一端で、ある程度考えがまとまったからこそこうしてアウトプットできているわけで。今は仕事もバスケも辞め時間と余裕しかないので、好きな時に音楽をやって、たまに働いて、という生活をしていますが、できればこの生活を一生続けていきたい。今は、自信をもってやりたいことをやれていると言えるし。しかしそういうわけにもいかないのが、社会に出るということだし、できればこのプロセスは、速めに終わらせておきたいところです

 

 

 しかし、日本の教育制度自体が「主体性を持たせない」ためにあるようなものなので、実はおれは教育関係に進むべきだったのかもしれない

 

おわり

ゆくアルバム、くるアルバム 2020

 

 軽井沢アウトレットで彼女が他の男と歩いてました。どうもKaguyatomです

 

 気が付いたらもう年の瀬で、この時期(『ゆくアルバム、くるアルバム』の時期)が来ていました。このブログももうほぼ 無 と化しており、書くこと・書けることは腐るほどありつつも、時間的・精神的コストに負け、書けていないですね。「書く」という圧倒的なアウトプットがなくなっているおかげで日本語の能力がなくなっていて、最近は「やばい」のほかに使える形容詞・副詞が「めちゃくちゃな」「ゴリゴリな」「べらぼうに」などに限られてしまっています。ここに関しては英語のほうが堪能かもしれない

 

 さあ、ということで『ゆくアルバム、くるアルバム 2020』の開幕なんですが、なんとなく今年は最初に「今年聴いたアルバム」を列挙してから始めようかなと思います。理由?…なんとなく

 

前回↓

kaguyatom.hatenablog.com

前々回↓

kaguyatom.hatenablog.com

 

 


今年聴いたアルバム

  • Anderson. Paak - Ventura
  • Anoyd & Statik Selektah - Yuck!
  • Apollo Brown - Sincerely, Detroit
  • Ari Lennox - Shea Butter Baby
  • Beast Coast - Escape From New York
  • Big K.R.I.T. - K.R.I.T. IZ HERE
  • Billie Eilish - WHEN WE FALL ASLEEP, WHERE DO WE GO?
  • Blu & Oh No - A Long Red Hot Los Angeles Summer Night
  • Bun B & Statik Selektah - Trillstatic
  • Cantrell - DEVIL NEVER EVEN LIVED
  • Chance the Rapper - The Big Day
  • Clear Soul Forces - Still
  • Common - Let Love
  • CRCK/LCKS - Temporary
  • Curren$y & Statik Selektah - Gran Turismo
  • CZARFACE & Ghostface Killah - Czarface Meets Ghostface
  • Danny Brown - uknowwhatimsaying¿
  • Dave - PSYCHODRAMA
  • Denzel Curry - ZUU
  • DJ Khalid - Father of Asahd
  • Doja Cat - Hot Pink
  • Drake - Care Package
  • Dreamville & J. Cole - Revenge of the Dreamers III
  • DUCKWRTH - THE FALLING MAN
  • Earl Sweatshirt - FEET OF CLAY
  • EARTHGANG - Mirror Land
  • Freddie Gibbs & Madlib - Bandana
  • Gang Starr - One of the Best Yet
  • Ghostface Killah - Ghostface Killahs
  • Griselda - WWCD
  • Injury Reserve - Injury Reserve
  • JACKBOYS & Travis Scott - JACKBOYS
  • Jaden - ERYS
  • KANDYTOWN - ADVISORY
  • Kanye West - JESUS IS KING
  • Kevin Abstract - ARIZONA BABY
  • Khalid - Free Spirit
  • Little Brother - May the Lord Watch
  • Logic - Confessions of a Dangerous Mind
  • Murs, 9th Wonder & The Soul Council - The Iliad is Dead and the Odyssey is Over
  • Nas - The Lost Tapes 2
  • PJ Morton - PAUL
  • Plays & Statik Selektah - Piecework
  • Rapsody - Eve
  • ScHoolboy Q - CrasH Talk
  • Skyzoo & Pete Rock - Retropolitan
  • Snoop Dogg - I Wanna Thank Me
  • Solange - When I Get Home
  • Tobe Nwigwe - Three Originals
  • Tobe Nwigwe - TOBE FROM THE SWAT | THE LIVE EXPERIENCE
  • Tyler, The Creator - IGOR
  • Wale - Wow... That's Crazy
  • YBN Cordae - The Lost Boy
  • 2 Chainz - Rap or Go to the League
  • 9th Wonder - Zion IV
  • ジェニーハイ - ジェニーハイストーリー

 総勢56枚のアルバムの中から、10枚セレクトして紹介します。

 

 


 ゆくアルバム、くるアルバム 2020 TOP10

  第10位からの発表です。どうぞ

 

  1. Little Brother - May the Lord Watch

    littlebrothernc.com

    My mans hit me up and said
    "Tonight, dawg, we celebratin', my son is goin' to college"
    I said, "Congratulations"
    He said, "Nah, you don't get it, it's two graduations
    Him from high school and me from child-support payments"
    (Blackness)

     まず第10位です。Little Brotherといえば、昨年の『ゆくアルバム、くるアルバム』18位に輝いたPhonteと、Big Pooh、そしてマイ・フェイバリット・プロデューサーである9th Wonderの三人組のユニットですね。しかしながら、今回のプロダクションには9thは関わっておらず、代わりに9thの友達(Khrysis、Nottzら)がビートを担当しています。KhrysisもNottzも9thが設立したプロデューサー集団・The Soul Councilのメンバーなので、ますます「9th一曲くらい作ったれよ」という思いが拭い去れません。ただKhrysisもNottzもですしもう一人であるFocusもみんな作るビートべらぼうにかっこいいし、全員特徴があって9th一人のプロデュースよりも色があっていいかもしれない

     結構こういうベテランにありがちなことなんですが、若手がよく言う「おれはこんなにすごいんだぞ」「おれを敬え」といった強気なメッセージは含まれておらず、ブラックであることに誇りを持ちただひたすらリスペクトを表明していながらもユーモアにあふれていて、非常に晴れやかな気持ちになります。これも1つのヒップホップのあり方だな、と本当に思う。あと単純にPhonteとBig PoohがKhrysisやNottzらのビートに乗ってるのがうれしい

     

     

  2. Nas - The Lost Tapes 2

    smarturl.it

    Every department searchin' your apartment
    Ransackin' it, found four ratchets
    DEA jackets, we gotta escape the madness
    Haha, yeah, escape the madness

     伝説の男・Nasさんがリリースした『The Lost Tapes 2』が堂々の9位入賞。このアルバムの特徴といったら、「『The Lost Tapes』と呼ぶにはあまりにも豪華すぎること」です。クレジットに目を通すとわかりますが、The Alchemist、AraabMUZIK、DJ Dahi、Hit-Boy、Kanye West、No I.D.、Pete Rock、Pharrel Williams、RZA、Static Selektah、Swizz Beatzとただひたすら有名プロデューサーたちが名を連ねるという異常事態が起こっています。それにラップを乗せるのが有象無象のラッパーならまだしも、卓越したワードセンスとリリシズムでヒップホップ界を引っ張ってきたNasなわけですね。まじでおかしい

     こんな豪華な曲を未発表のまま終わらせるのはもったいなさ過ぎるし、でもそもそも『The Lost Tapes 2』の発表自体は2002年に行われたことなので、リリースまで17年かかってでも出してくれてよかった。ありがとうNas。ちなみにインタビューで、「『The Lost Tapes 3』を出す予定はある?」とか聞かれたときに、「出す予定あるし、待つとしても17年よりは短いよ」といってました。本人も自覚はあったらしい。これからもがんばってほしい

     

     

  3.  YBN Cordae - The Lost Boy

    The Lost Boy

    The Lost Boy

    • YBN Cordae
    • Hip-Hop/Rap
    • USD 6.99

    music.apple.com

    And it's kinda my only option, maybe my decisions
    Haven't really been the best, but this my life I'm livin'
    Although it seem so bittersweet when you ain't got nothing to eat
    And Sallie Mae callin' your phone for like the fifth time this week
    All your bills overdue, all your bitches over you
    Only one option remains, you just gotta show and prove

     続いて8位にランクインしたのは大阪なおみの今カレ・YBN Cordaeの『The Lost Boy』です。YBNファミリーの中で唯一いい曲が多いCordaeですが、YouTubeのPVなどのコメント欄には大体「こいつは名前から”YBN"を取るべき」とか書いてあります。それくらいラップがうまい。最近の若手では本当に一番見所があって、確かなリリシズムとそれに裏付けられた深いテーマがあるのがCordaeのいいところです。フリースタイルもできるんだよね

     このアルバムはCordaeのファーストアルバムであり、弱冠22歳のラッパーとしてはかなり謙虚なラップになってます。本人もインタビューで「このアルバムを聴くことで”自分とはどんな存在なのか””これからどんな存在になっていくのか”という問いを引き起こせたらいいと思っている」とか言ってて、同世代でアホみたいに強気なLil Pumpとは大違いだな、と思ってしまいました。謙虚な感じなのはJ. Coleの『1985』のリミックスを出したときにも滲み出てましたが(でもメッセージはそういうことじゃねーだろというものだった記憶がある)

     全体通して思うのは、Chance the Rapperの影響受けてるな、ということですね。もちろん『Bad Idea』でフィーチャーされてるのもあるので、一緒に作品を作っていく中でいろんな人に影響を受けながらこれからどんな方向に成長していくのかが楽しみなラッパーですね。しかも『Bad Idea』でサンプリングされているのがScarfaceの『On My Block』であることからもわかるように、90sとかのラップもめちゃくちゃ好きなんだろうと思います。Talib Kweliとかそこらへんの。なので、期待値もこめてこの順位です

     

     

  4. Dave - PSYCHODRAMA

    smarturl.it

    I don't know where to start
    But I just done my first psychodrama
    And I hope the world hears my craft
    I'm excited man, I pray you get to hear my craft
    From our childhood, our mother didn't hear me laugh
    I'm presenting you the future, I don't fear my past
    I ain't got a tattoo anywhere near my arms
    But best believe on my sleeves is where I wear my heart

     続いて7位は、イギリスのラッパー・Daveのアルバム『PSYCHODRAMA』です。「Psychodrama」は心理学用語で、「集団で即興の演劇をやらせることで患者の自発性・創造性を促進させる自己表現をさせる集団心理療法」だそうです。このタイトルに対するアルバムの入り方が本当に好きで、一曲目『Psycho』ではイントロで精神科医と思われる人の言葉を聴かせてから、彼の攻撃的な一面と鬱状態の二種類を1つのトラックに織り交ぜることで「双極性障害」とそれを治療するための治療法でありアルバム全体のテーマである「サイコドラマ」をうまく表現しています

     2曲目以降からは彼がどういう境遇で育ってきたのかをテーマごとに分けて説明していきます。例えば、2曲目『Streatham』は彼の生まれ育った土地の名前であり、3曲目『Black』は彼の人種と、それによる不平等を表しています。それを大量の比喩やダブルミーニングでラップしていくので、リリシズムという点で言えば本当に今年イチぐらいのレベルでした

     全体通してのプロダクションもアルバムのテーマにあわせたもので、ビートも最高にかっこいいものがほとんどなのがすごい。リバーブ強めなのも雰囲気を強調している

     ただ、普段アメリカ英語でしか聴いていないラップをイギリス英語で聞き取って意味を噛み砕いていくのはなかなかに大変で、耳触りという点で違和感をぬぐいきれなかったかな、というのがこの順位にとどまった理由です。なぜならこのランキングはおれのものだから

     

     

  5. Danny Brown - uknowwhatimsayin¿

    uknowhatimsayin¿

    uknowhatimsayin¿

    • ダニー・ブラウン
    • ヒップホップ/ラップ
    • ¥1528

    music.apple.com

    War on drugs was a chess game
    Was a pawn, guns drawn on my front lawn
    Just a young nigga, starin' down the corner
    Checkin' out the hustlers with the latest kicks on 'em

     Danny Brownは、以前からその能力の高さで評価をされつつも、イマイチ一発当てられないラッパーという感じでしたが、ついに『ゆくアルバム、くるアルバム』入りを果たしました。このアルバムでもう5枚目になるので、2枚目のアルバム『XXX』、3枚目『Old』以来のちゃんとしたヒットですね。なんというか、Danny Brownを他のラッパーと隔てるのはそのユーモアで、シングル曲である『Dirty Laundry』は性体験を汚い服とかけていて、わかりやすいコメディです。似てるところで言うとJ. Coleの『Wet Dreamz』みたいな感じですね

     プロダクションにはQ-Tipを迎え、加えてFlying LotusやThundercat、JPEGMAFIAなどのサウンド作りに定評のあるプロデューサーばかりですね。めちゃくちゃカッコいいかって言われると微妙なんですけど、Danny Brownの声とプロデューサー陣のサウンドがうまくマッチして非常に癖になるアルバムになってます。好き嫌いは分かれるかもしれん

     本当にユニークなアルバムになっていて、『Best Life』で”いかに自分がラッパーとして成功してきたか”や”いかに自分の生い立ちが厳しかったか”とかをラップしてはいるんですが、それでも”I'm living my best life”と言ってのけています。皮肉とも取れるんですが、なんかマジで言ってそうな感じもあります。サウンドだけでも十分楽しめる最高のアルバムです

     

     

  6. Dreamville & J. Cole - Revenge of the Dreamers III

    smarturl.it

    I make sacrifices, bloody sacrifices

     やはりこのアルバムは外せません。J. Coleがトップを務めるレーベル・Dreamvilleによるコンピレーションです。これはもう完全にパーティで、ハチャメチャに騒がしい『Wells Fargo』とか、メチャクチャなことを言い出す『Lambo Truck』とかがあったと思ったら、『Sleep Deprived』『Got Me』みたいなチル曲もあり、参加しているアーティストの個性のみで押し切る感じが、まさにDreamvilleのスタジオに遊びに行ったら全員いた、みたいな衝撃です

     そして必ず触れなくてはいけないのがラストの曲『Sacrifices』です。この曲でフィーチャーされているのがSmino、Sabaの二人で、それに加えEARTHGANGとJ. Coleの5人で構成されているこの曲は、今まで払ってきた犠牲と、それによって今の自分があることへの感謝を表しています。ビートも最高なんですよ本当に……

     「じゃあなんでこの順位なんだよ」と思うかもしれませんが、それは他のがよすぎるのと、”Skips”と”Repeats”と呼ばれる大体飛ばすやつとリピートするやつの差がでかいからです

     

     

  7. Rapsody - EVE

    smarturl.it

    More than a woman, real enough to rock the boat (Keep it real)
    I don't fit the status quo, blow they mind, Maseo (Keep it real)
    Really fine, I'm like another kind of fine you should know, uh (Keep it real)
    Get you somebody that can still do both (Real)
    Back and forth, that's somebody that can play both coasts

     Rapsodyのアルバム『EVE』が4位にランクイン。前作”Laila’s Wisdom”に続きまた最高のアルバムを出してくれました。Rapsodyはそのキャリアでずっと一貫したテーマでラップしています。それは「力強い黒人女性である」ということです。その証拠に、一曲目でいきなりNina Simoneをサンプルした『Nina』というパワフルな曲をカマしてくれます。Nina Simoneがそうであったように、単なるアーティストではなく、女性の権利のために活動する活動家であるということにアイデンティティがあります。時代は変わってもメッセージは変わらないんですね。そこからの曲も、曲ごとに一人の女性をテーマにしていて、本当にメッセージ性しかない

     そしてめちゃくちゃテンションが上がったのが、GZAとD'Angeloをフィーチャーした『Ibtihaj』です。GZAの『Liquid Swords』と同じサンプルを使い、それを9thがプロデュースをするとこうなるっていうのが聴けて最高に良いです。ジニアスのバースもめちゃいい

     それから、Rapsodyのアルバムとしては、ここまで完璧にまとまったものってなかったな、とも思ってます。元気な曲もいいんですけど、チルめな曲のほうがRapsodyの声って合ってるんですよね、今作はチルめ多くてそれもめちゃくちゃいい

     

     

  8. Tyler, The Creator - IGOR

    smarturl.it

    Are we still friends? Can we be friends?
    Are we still friends? Can we be– (Can we be friends?)
    Are we still friends? Can we be friends? (Yeah)
    Are we still friends?

     Tyler, The Creator、私大好きなんですけれども、これ本当によかった。『Cherry Bomb』あたりから雰囲気が変わり始めて、2017年の『Scum Fuck, Flower Boy』でこっちの方向にシフトしたと思ったら、今作『IGOR』は完全に12曲全部ラブソングでしたね。例えば『Cherry Bomb』収録の『F*****G YOUNG / PERFECT』とか、『Flower Boy』の『See You Again』とかも同じで、ラブソングだと完全にR&Bのリリックにテンポなのに、Tylerのプロダクションがいいアクセントを加えていて、ラッパーというよりももはやスモーキー・ロビンソンに近い

     あとリリック見ると本当にそうなんですけど、完全に同性愛者なんですよねTyler。PVに出てくるのもザ・白人男性といった人だし、何度か疑惑出るたびに否定してきたタイラーがここに来てこういうカミングアウトをするのは本当にオシャレ…… そういう意味ではフランク・オーシャンにも近い

     

     

  9. Freddie Gibbs & Madlib - Bandana

    smarturl.it

    Fuck the forty acres and the mule, they gave us niggas the evils
    Hot pots, spoons, and needles (Yeah)
    Sold a piece of crack to polices, Mario Van Peebles (Uh)
    Serving every prom queen and pookie with that vanilla smoothie (I was prom queen)

     5年ほど前にリリースされた2人のアルバム『Piñata』に続いて発表された今作『Bandana』ですが、Madlibがトラップに挑戦している新鮮なアルバムになっています。これも違和感無くてむしろそこらへんのトラップミュージックより全然カッコいいので、いかにトラップビートを作るのが簡単か、ということと、いかにMadlibの作曲センスがずば抜けているかというのがわかると思います。トラップっぽい曲である『Half Manne Half Cocaine』の次の曲が『Crime Pays』とめちゃくちゃオシャレな曲なのも最高です

     その他にも、Pusha-TとKiller Mikeをフィーチャーした『Palmolive』もエグいし、Anderson. Paakとの『Giannis』もやばい。一曲もハズレ曲がなくて、一瞬『モヤさま』かと思う瞬間はありますが、普通に聴いていくとアホみたいに首振れる出来になってます。なんかもうここまでくると「とりあえず聴け!」という感じになってくる

     

     

  10. Gang Starr - One of the Best Yet

    ingrooves.ffm.to

    Pick up the pen, write down the sins, cleanse
    Lay that shit down, play it for friends
    Make a few M's, then do it again
    J. Cole, who'd have thought you woulda been rhymin' with ghosts
    Guru flows forever like a diamond
    The most could never afford the precious jewels
    That's precisely why I'm blessin' you with clear-cut messages
    I'm destined to invest in urban sections where depression rules

     問答無用!1位!もう何も言うことなし!

     ぼくが影響を受けたプロデューサーは4人いて、Kanye West9th WonderJ Dilla、そしてDJ Premierの4人なんですね。プリモは本当に、ネタの使いどころがすごくて、それは例えば『Nas Is Like』とか『So Ghetto』とか『Who Got Gunz』とかまあ正直どのビート聴いてもわかることではあるんですけど、細かくチョップして、サンプルの形を残しながら、サンプル・ドラム・ベース・SFXの4つの要素だけでほとんどのビートを成立させる技術に完全に惚れているんですね。そういうの作りたいなーって思ってもできるもんでもないし、本当にすごい

     加えて、そもそもリリースした時点で勝ちではあったんですよ。なぜなら前作『The Ownerz』がリリースされたのは2003なので。しかも、2010年にラッパー・Guruが亡くなったことで、これはもう一生Gang Starrは聴けないのかな、とか思っていたわけですよ。リリースされていないGuruのラップや過去の音源から引っ張ってきて完全に新しいものを作り上げる手法は誰もやったこと無いと思うので、本当に感動した

 

 以上、『ゆくアルバム、くるアルバム 2020』でした。正直5位あたりから「とりあえず聴け!」なんでよろしく

 

 

 


 ゆくアルバム、くるアルバム 2020 佳作賞

 さあここからは、惜しくもTOP10入りを逃したアルバムを紹介していきます。順位はつけられない

 

  • Clear Soul Forces - Still

  オシャレ

 

  • Denzel Curry - ZUU

  イカつい

 

  • Griselda - WWCD

  カッコいい

 

  • Injury Reserve - Injury Reserve

  ユニーク。『Jailbreak the Tesla』がいい

 

  今までそんなこと無かったのに神を讃えだしたのでびっくりしたけどなんか感動した

 

  Skyzoo & Pete Rockって外すわけなくない?

 

  • 2 Chainz - Rap or Go to the League

  『Threat 2 Society』と『Money in the Way』だけでここまで来た。真面目なときの2 Chainzはかっこいい

 

  これも聴いてくれ。インストだけど本当にいいから

 

 


 おわりに

 以上18枚紹介しました。これが本当に悩んだところで、TOP10以外に挙げた8枚もめちゃくちゃよかったし、それ以外でもなかなかイイの多くて、特に下位のあたりは本当に悩みました……。『Retropolitan』とか本当によかったし、1ヶ月後とかには順位変わるんじゃないかな、ってレベルであると同時に、逆に上位陣はこのまま変わらないという気持ちもすごくて。普通にこの5枚は『2010年代のアルバム』とかに選ばれてもおかしくないやつらなので

 

 話が変わりますが、これで『ゆくアルバム、くるアルバム』は4年目になります。毎年続けるということは大事だなと思いました。前回「日本語とかトラップも聴けたらいいな」とか言ってますが結局聴いていないし、R&Bとかも全然聴いていなくて、逆に何聴いてたかなっつって思い出すともうヒップホップしか聴いていない。おれがもうヒップホップ。先日旅行に行ったときに、一日ヒップホップ聴かなかっただけで禁断症状出てなんかイライラしてしまって、夜中に一人で2時間くらい聴いてしまったし、ないとキツいということがわかった。それがたとえ十数時間だったとしても……

 

 毎年この記事を書くにあたって大体10個くらいの記事を参考にするんですけど、ウケるくらい記事によって色が違って面白い。なんか編集者の顔が見える。コーンフレークより生産者の顔が見えます。でもまあ56枚も聴いてると、大体どのアルバムというかランキングも「わかる~~」となるものが多く、なかなか面白いです

 

 みんなもヒップホップ聴け!とは言わんから、『ゆくアルバム、くるアルバム』やってください。というかコメントとかで教えてください。Twitterでもいいし。みんなのTOP10教えてくれ

 

 おわり

 

Zion IV

Zion IV

music.apple.com

ゆくアルバム、くるアルバム 2019 春

 

 はい、今年もやってまいりました、その年にリリースされたアルバムをランキング形式で紹介する企画『ゆくアルバム、くるアルバム』のお時間です。今年もTOP10でいこうと思います。よろしくお願いします

 

前回↓

kaguyatom.hatenablog.com

前々回↓

kaguyatom.hatenablog.com

 


 

  1. Milky Way - Bas

    geo.itunes.apple.com

     第10位にランクインしたのはこちら!統計では、後述のDrake "Scorpion"と一票差とのことです*1。全編オシャレでテンポ速めなので、ヒップホップとして聴くというより普通にBGMとして聴ける。でもちゃんとリリック聞くとリリシズム*2もあっていい。「ヒップホップファンではないけど洋楽好き」みたいな人にオススメなヒップホップでした

     

  2. Kamikaze - Eminem

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      これ9位なんですけど、実は最初「微妙だな」とか思ってて、どのツラ下げて9位にしてんだという話。ただ、俺の好みではないけど、何回か聴くとエミネムのヤバさわかりますね。このアルバム、現地当局ではTOP3入りしてるとこがほとんど*3なんですが、好みじゃないので9位。「"Kamikaze"といえばTwista」から「"Kamikaze"といえばEminem」に代わった瞬間でした

     

  3. Room 25 - Noname

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     Nonameさんのアルバム "Room 25" が8位にランクイン。前作 "Telefone" から1年の沈黙を破りリリースしたこのアルバムですが、評価の高かった前作からその期待を裏切るどころか上回ってきた感じがあります。オシャレさは前作より下がったけど内容には磨きかかってて年月の恩恵を感じました

     

  4. Czarface Meets Metal Face - CZARFACE & MF Doom

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     ウータン・クラン*4のメンバー・Inspecter Deck率いるCZARFACEですが、今回はヒップホップグループであるMadvillainよりMF DOOMをプロデュースに抜擢し、アルバム "CZARFACE Meets Metal Face" をリリースしました。なんと7位です。個人的に、MF DOOMのプロダクションは好きで、クソかっこいいので聴いてください。登場人物みんな大文字だから書きやすい

      これは構成も良くて、なんかアメコミっぽくなってます。それぞれの曲が1ページないしは1章になってるので、全部聴かないとわかんない感じがある。僕はそういう構成に弱いところもあり、7位でした

     

  5. Care For Me - Saba

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    6位ですが、Sabaです。これNonameと同じで、2年前にリリースしてそれが評価されて、そのあと期待を上回ったもの出してくるのすごい。なんか何なんですかね?このオシャレな感じ。今のヒップホップって感じで。いろんな要素が組み合わさってそれが還元されてる感がすごい。シカゴ出身のラッパー、すごい。「このラッパーがすごい!」大賞があれば間違いなく金賞。前述のNonameよりも期待の上回り方がすごかったので、これでした

     

  6. Nasir - Nas

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     2018年を語る上で外せないのは「大坂なおみ選手の全米オープン優勝」「ナマハゲ、ユネスコ無形文化遺産へ登録」「カニエ・ウェスト、5連作を発表」の3つですが、その5連作のうち、Nasのリリースである "Nasir" がランクイン。他のも惜しかった。これはプロダクションがカニエであるところが非常にズルで、アルバムとしては短い30分の構成の中にカニエのかっこよさとNasのかっこよさがダブルできてます。スカイラブ・ハリケーンでした

     

  7. YSIV - Logic

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     「 "Nasir" がキャプ翼なら、こっちはイナイレだ!」のスローガンの下開発されたのがこちらのアルバム "YSIV" です。表彰台に一歩とどかず。LogicのBoom Bap*5シリーズ "Young Sinatra" からの最後の作品になります。 "Young Sinatra" の名を冠しているだけあって、全編ブームバップです。このタイミングで出すのがずるいよね。ちなみに2018年にLogicはトラップ*6シリーズ "Bobby Tarantino" の新作も出しており、評価が分かれるところです。

     なんといっても "Wu-Tang Forever" で、ウータンメンバー揃い踏みで8分くらいラップしてる。本来ウータンのレコーディングスタジオで行われているべきサイファ*7が曲になっちゃった。もうこの話2018年には腐るほどしたんですけど、2019は初になります。初夢、初売り、初ウータン、初ロジック、そして初恋…… でも周りがすごすぎて4位でした

     

  8. Book of Ryan - Royce Da 5'9"

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     めちゃくちゃパーソナルな内容を歌った175cmの男のアルバム "Book of Ryan" が銅メダルです。強いのがいくつもあって、例えばエミネムとの "Catapiller" とか、コールとの "Boblo Boat" とか基本的にいいんですけど、客演ナシの "Legendary" "Power" "Strong Friend" "Anything/Everything" あたりはもっとすごいと思った。ロイスはこのアルバムが完成した時、聴きながら泣いたって言ってましたが、ほんとに泣けました。 "YSIV" と同様、普通の年なら金メダルですが、これも運に恵まれず3位でした

     

  9. Redemption - Jay Rock

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     その絶妙なバランス感覚で評価を上げた、Jay Rock "Redemption" が銀メダルとなりました。これはマジで何回でも聴けるやつで、2017年でいうところの Tyler, The Creator "Scum Fuck Flower Boy" 的なやつだと思う。アガる曲と聴かせる曲のバランスが絶妙。これに関しては、ケンドリック・ラマー始め、TDE*8全体に言えることですが……

     そして2018年に聴いたアルバムランキングでは2位だった "Flower Boy" に続けるのか。そういったところも見所なアルバムでした

     

  10. KOD - J. Cole

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     2018年「このアルバムがすごい!」賞、2018年に聴かれたアルバムランキング1位、など、数々の賞を受賞した今作 "KOD" が堂々の1位。リアルに2018年だけで100回くらい通して聴いたと思う。別でやってる音楽ブログにも解説&考察記事を書いたりするほど聴いたし、それ書いた後にもいろんな発見があって最高な一枚。"Once an Addict" という曲がインタールード*9として挟まれてますが、母親が酒飲みな自分にとってはめちゃくちゃ共感できる内容で良かったです。

      中に入っているメッセージも強烈で、ピカソの『ゲルニカ』的な存在だと思った。後世に語り継がれる存在だと思っているので、優勝でした

 

 以上、「ゆくアルバム、くるアルバム」賞 TOP 10*10でした。

 


 

 ここからは、残念ながらTOP 10入りを果たせなかったアルバムの紹介になります。当ランキングでは30位までを決定しており、それ以外はノミネート作品ということになります。では、ご覧ください

 

11位~20位

  1. Drake - Scorpion
  2. Earl Sweatshirt - Some Rap Songs
  3. Vince Staples - FM!
  4. Evidence - Weather or Not
  5. A$AP Rocky - TESTING
  6. Cozz - Effected
  7. Pusha T - DAYTONA
  8. Phonte - No News Is Good News
  9. J.I.D - DiCaprio 2
  10. Meek Mill - Championships

21位~30位

  1. Kanye West - ye
  2. KIDS SEE GHOSTS - KIDS SEE GHOSTS
  3. 呂布カルマ - SUPERSALT
  4. Anderson. Paak - Oxnard
  5. THE CARTERS - EVERYTHING IS LOVE
  6. Black Milk - Fever
  7. BLACK THOUGHT - Streams of Thought, Vol.1
  8. Various Artists - Uncle Drew (Original Motion Picture Soundtrack)
  9. PRhyme - PRhyme 2
  10. Kendrick Lamar, The Weeknd, SZA - Black Panther The Album

ノミネート作品*11

 以上、TOP 10とか「聴いたわ!」な人はよかったら聴いてみてください

 


 

 年々聴く枚数が増えていっていて、音楽聴いてない時間がほぼ無いと言っていい状態になってます。そろそろ鼓膜くらいから脳まで音となってゆきたいところ。キャパシティ的に "Flower Boy" "KOD" あたりのヘビロテしてたのなくせば後2~3枚聴けそうな部分はある

 

 ただ、こんだけ裾野を広げても日本語ラップだったり、R&B/Soul界の音源はほとんど聴けてないですし、まあ僕が忌み嫌っている内容のないトラップ*12も聴いてやらなきゃなのかな、と思いますし…… なかなか掘り出すのが大変なのは、昔と比べてとにかくラッパーの数が増えたからでしょうか

 

 多くのラッパーが生まれ、一発しか当てられなかったりその一発すら当てられず消えていったりしていく儚さ…… そんな儚さの中、2018年も、ゆくアルバム、くるアルバム、ありました……

 あけまして、おめでとうございます

 

 おわり

 

トラップ(字幕版)

トラップ(字幕版)

 

 

*1:俺調べ

*2:歌詞のよさ、言葉遊び等

*3:HipHopDX、Genius等のアメリカメディアではマジでかなり評価高い。俺の中で評価が伸びなかったのは俺がそこまで英語できないからかもしれない

*4:老舗ヒップホップ・グループ

*5:所謂サンプリングとブレイクビーツを使っているヒップホップのこと

*6:ブームバップに対して、盛りに盛ったベースと細かいハイハットが特徴のヒップホップを指す。酷いときは64とかでハイハット打たれてたりするが、ブームバップでは基本8ビートなのでまずありえない

*7:ラッパーが集まって適当にラップすること。本来は人の集まりで同じことをやるならサイファーらしい

*8:Top Dawg Entertainment

*9:曲と曲の間に挟まれる曲のこと。間奏曲。「曲と曲の間に挟まれる曲」とは?概念を感じる

*10:当ランキングに出てくるあらゆる賞、ランキングは架空で、すべて筆者の脳内で行われています。

*11:50音順。特に良かったものは赤字です

*12:Migosのことを指してますが、日本で言うところのBAD HOPであり、そいつらの真似事をやってるあらゆる人たちを含みます

あけましておめでとうございます

 

 3が日が終わろうとしています。気が付いたら2月から更新してなかった。忙しさは理由にできませんが、実は他にもブログを運営していてそれの更新で結構体力を使っていたりする

 

 さて、昨年ですが、実は2月頃から数ヶ月ほど軽いうつ状態になっており、何事にもやる気が出ず、挙句の果てに就活もせずベッドに寝転んでいました。やはり人生というものはひと波もふた波もある。僕の人生を癒してくれたのは音楽と女です。ヒップホッパーだから……

 

 ちなみにヒップホップ界では"2018 has been big"なんて言われており、それはヒップホップファンである僕にとっても同じことです。アメリカでXXXTentacionやMac Millerなどの才能ある若手アーティストがドラッグ関連で亡くなっている間に、僕は就活をしないという決断と共に、音楽で生きていこう、と決めたもんですから……

 しかもそれだけではなく、体育会系の大学4年生にとっては想定しうる最悪の出来事である右ひざ前十時靭帯断裂も経験しました。病院のベッドとは不思議なもので、今までの人生について考えさせる不思議なパフュームか何かが含まれていて、そこでも死にたくなりました。加藤ミリヤで例えるなら"Shinitai"です。"Aitai"に関しては清水翔太ver.のほうが好きだけど、"Shinitai"は加藤ミリヤのほうが良さそう

 

 そんなこんなで昨年11月に10年以上続けてきたバスケ界からは身を引き、音楽界という新たな波に身を投じることとなりました。時間に余裕ができた昨年末から本格的に活動しており、長らく動かしてなかったサウンドクラウドにアルバムをアップロードしたり、それに伴ってアパレルを作ったりしました。正直あんまり聴かれてないし服も売れないので、良かったら聴いてください

 

 アパレルはここで売ってます

kaguyatomtm.stores.jp

 


 

  ところで、皆さんは2019年にどんな抱負をお持ちでしょうか。新しいことに挑戦したい、資格を取りたい、○○に行きたい、など様々あるでしょう。僕の場合はシンプルに3つあります。

  • 音楽やりまくる
  • 勉強する
  • 彼女を作る

の3つです。

 

  • 音楽やりまくる

 これに関しては簡単なことで、昨年は制作にあまり時間をかけられなかった都合上、当初予定していたラップアルバムはかなり早い段階で諦め、ビートテープという形になりました。なんなら、全部イチから作ってレコード会社に売り込むことまで考えてたのに、それをやるにはあまりにもお金と技術と時間がたりなかったっぽい。アパレルも利益を出そうというより、自らの可能性を広げる/試すというイメージでした。これからは音楽にもっと時間をかけて、なんとか来年一年である程度お金を稼げるところまで行きたい

 

  • 勉強する

 これは、フリーでアーティストとして活動していく上で必要なことです。音楽やデザインのことはもちろん、それに伴う経済的な知識も必要になってきます。なんなら英語でもラップしたいので英語力の強化も必要。まあやらなきゃいけない勉強を挙げてたらキリが無いので、とりあえず来年は音楽と経済についてをメインにやっていきます

 

  • 彼女を作る

 実はこれ一番大変で、なんだかんだ彼女いない期間がアホみたいに長いので、もはやおっさんにとってのクリスマス*1みたいになってきている。そろそろ身の回りで少しずつ「結婚」の二文字がちらつき始め、女っ気が雀の涙ほども無かった僕の兄ですらなんだかんだいい感じの女性がいるらしい。俺は自分の性的指向*2すらまだ定まっていないというのに……

 ともかく、周りの方々からは「好きな人を作るところから始めろ」と言われているので、そこから始めようと思います

 

 以上、僕の2019年の抱負でした

 


 

  デーモン小暮閣下率いるヘヴィメタルバンド・聖飢魔Ⅱの最後のミサで最後に演奏された曲は、名曲『EL.DORADO』でした。黄金の都・エルドラドを目指すという曲ですが、その直前のフリでデーモン小暮閣下が言っていたことがあります。

聖飢魔Ⅱに追いつき、追い越そうと思って生きていかなければ、聖飢魔Ⅱに対して、失礼ではないか……(中略)……そして我々全員が、それを達成することができたとき、必ずしや、真の「黄金の都」は開かれるであろう……

  とりあえず、聖飢魔Ⅱに追いつこうと思ったらまず10位以内のシード権を獲得しないといけないので、そこを目指して頑張ろうと思います。ありがとう閣下!おれ、頑張るよ!

 

 

何でこれ引用したかわかんなくなった

 

 

おわり

 

今週のお題「2019年の抱負」

 

THE BLACK MASS FINAL 3 NIGHTS

THE BLACK MASS FINAL 3 NIGHTS

 

 

*1:知り合いのカッケーおっさん達が言うには、30代になるとクリスマスの存在すら忘れてくるらしい

*2:嗜好はしっかり定まっている。皆まで言わすな

コーヒーは苦いだけではない

 

 「もうバレンタインだもんね」

別にバレンタインとか一切意識せずに持っていったドン・キホーテの袋入りのチョコアソートと飴のキュキュ、パインアメ、そしてヴェルオリ(ヴェルタース・オリジナル)を見て、バイト中、ふと同僚が言いました。バレンタインというものに特に思い入れがなく、そんなものがあったのはなぜか男女で交換しようという雰囲気になってしまっていた小学生の頃だけでした。得意料理に「クッキー」が追加されただけで、甘い雰囲気になることはありませんでした。甘すぎるクッキーは美味しくないので。

 

 バレンタインは甘いものではなく苦いもの、という意識がはっきりとしたのは、高校の時でした。当時から僕は「モテ」からは程遠い存在で、バレンタインはもはやないものと思い、もらえるわけないよな~とか口では言いながらなんとなくソワソワしていた中学時代とは打って変わって、「無」とはこのことか、というところに達していました。おれには男友達とくだらない話をするのが合っている。

 ちょうどバレンタインの2週間前、ある女の子から「好きな人がいる」と言われていました。中学からの仲なのに、好きな人が誰かは教えてくれない。ただの相談、だけどもしかしたらもしかする。そんな甘い考えが僕を支配してしまっていて、相談に乗るフリをしながらジャブを打ち続けるというやり取りをしていました。彼女もまんざらではない。これはもしかするぞ。しかし、まだまだ中学生の時のソワソワが抜けきっていなかった僕は、そんな彼女が好きな人は同じバスケ部のメンバーだということを、2週間後に知ることになります。

 相談を受けながら迎えたバレンタイン当日、何事もなく、帰ろうと思った矢先、その彼女から話しかけられます。

「ねぇ、チョコ欲しい?」

チャラい男を演じたい僕は「えっ、くれるの?(笑)」とテンション高めに言うことで、内心「これ告白では」と思っていた自分を隠しました。貰ったチョコを食べようか食べまいか迷っていると、彼女が「I'm どうしたらいいの」とわけわからない言語を使って僕に相談を持ち掛けてきました。当時から英語が得意だったとはいえ、まだ留学前で今と比べると天と地ほど差がある当時の僕は、「文法おかしいぞ」という言葉を、チョコレートと一緒に飲み込みました。今思えば、「どうしたらいいの(状態、もしくはその状態の人)」という意味になり、英語的にも正しい表現になります。日本語ではどうかわかりませんが、まず日本語であるかどうかが定かではない以上、どう訂正したらいいのか、そもそも訂正するのか、わからないことだらけです。日本語も英語も、女心もわからない。

 話を聞いているうちにますます自分のことに聞こえる恋に狂った男は、勝負に出ます。渾身のストレートです。

「だれのこと言ってんの?(笑)」

見る見るうちに顔が赤くなる彼女を見て、ホワイトデーにクッキーを作ろうと決意した僕に、彼女は告げました。

「○○(バスケ部同期の名前)くん……///」

「いやおれちゃうんかい!」と言うだけのメンタルも笑いも持ち合わせていないのに、一部の人間に嫌われていながらもこちらからは嫌うことはしたくなかったという経験から、感情を隠すのだけはうまくなっていた僕は、「あ~~そっちか~~」とあたかも何人か候補はいたけど第一候補ではなかった、という顔をして笑いました。コーヒービーンズチョコのようにあとから苦みが来るタイプのチョコレートです。今僕がコーヒー大好きなのは、苦みか、わずかに感じられる甘味か、酸味か。

 

 チョコレートの甘みを感じた後、コーヒー豆の苦みを味わい、口の中から消えてしまうコーヒービーンズチョコのように、甘いも苦いも一瞬で、すぐに消えてしまった僕の青春。今思い出しても、恥ずかしくて苦い思い出です。

 

 

 コーヒーには、フルーツのような味わいの浅煎りから、深い苦みとコクのある深煎りなど、さまざまな種類があります。コーヒー豆によっても酸味が特徴だったり、甘みが特徴だったり、様々です。が、甘酸っぱい青春に合うのはいつだって深煎りの、苦みとコクです。僕が中煎りのコーヒーと和菓子の組み合わせが好きなままなのは、自分のせいだってわかっているけど、どうすることもできない悲しみ。そろそろ出会い系に課金するくらいの、深い悲しみ。今の自分に深煎りは苦すぎる。

 

 来る2月14日は、大学生として迎える三回目のバレンタインデーです。今年こそ、コーヒーのアテになるような甘いチョコレートを貰いたい。

 

 おわり

 

 

 今週のお題「バレンタインデー」

存在すら怪しくなったけど、概念としてまだ自分の中には残っていて

 

 初体験の話をしたいと思います。僕は今でこそ冴えない大学生ですが、初体験は中学と、かなりマセたガキでした。そこからヤリチンになってヤバい人生を送っていないことに感謝しないといけません。神か、仏か。母や父、または兄弟だったかもしれません。僕が道を踏み外さずに生きてこれた理由は様々あると思います。きっと、あなたもそうでしょう。

 

 さて、今週のお題は「アイドル」です。僕にとってのアイドルは誰か。バスケットマンの僕はコービー・ブライアントと答えるかもしれませんし、ジョー・ジョンソンと答えるかもしれません。プロデューサーとしてならナインス・ワンダーでしょうし、ラッパーとしてならジェイ・ジーやジェイ・コールでしょうか。でも僕が僕として今の人生を歩んでこれたのは、ある女の子の存在があります。彼女は、まさにアイドルのようでした。

 先程も申し上げた通り、初体験は中学でした。あれは14歳の春だったと思います。当時からやっていたバスケットのある大会で声を掛けられ、付き合いだしたのは8月か9月でした。中学生の恋愛なんて、なんとなく付き合うとか、好意を向けられてうれしいからとか、そういったものばかりだろうし、カウントしないものだと思ってますが、中学生ながらも「長続きしそう」だとか「このまま結婚とかも……」なんて考えに至ったのは今も昔も彼女だけでしょう。まさに運命のような、そんな気持ちです。

 お互い自分のこともあり違う学校に通っている男女だったので、会う機会も多くなく、共通の知り合いもいないので2人で遊ぶことばかりでした。当時は恥ずかしくて、紹介してと言われても断っていたし、独占欲みたいなものもあったんでしょう。それでも過ごした時間は楽しい思い出ばかりで、1人で飯を食ってたら声をかけられたのも、呼び出されて告白されたのも、初めてのデートでイタリアンを食べたのも、ショッピングモールからの帰り道にキスをされたことも、何度かお家デートをしたことも、未だに覚えています。

 そんな矢先、僕も誕生日を迎え14才になったころ、彼女から連絡がありました。

「もう会えない」「別れよう」

突然の別れに意味が分からず、とりあえず家に行くとだけ伝えて、携帯だけつかんで家を飛び出しました。途中で寒くなりココアでも買おうかなと思ったけど、財布すら持ってこないくらいに急いでいました。結局寒い中自転車を飛ばし、30分かけて彼女の家の近くの公園に行きました。

「公園にいる」

そうメールしてから5分もしないうちに彼女が現れました。目に涙を浮かべながら。その公園に呼び出され付き合った僕らは、同じ公園で別れようとしています。それは僕がひどい男に思われるような気がして、何とかしたいという思いでいっぱいでした。誰が見ているわけでもないし、親にも兄弟にも秘密にしていたので、誰も知る由はないのに。

 彼女が言うには、親の仕事の都合で4月から海外に行かなくてはいけない、さすがに海外まで離れてしまうと続けられない、とのことで、今思えばそれも口実だったのかもしれません。しかし、「何とかしよう」といった僕も続けるための口実だったし、お互い様です。どちらにしろ、中学生にとっては想像もできないことでした。まさかこんな別れが来るとは思わなかったし、ドラマみたいなこともあるもんだな、「事実は小説よりも奇なり」だな、とか変に冷静に考えていました。その場で別れてしまうことだけは避け、女の子の前ではカッコつけたい僕は、帰り道に立ち漕ぎしながら涙を乾かしたのです。

 それから連絡が来たのはその三日後のことでした。もうすぐいなくなってしまうから、最後に会いたい、という彼女に、いつもの調子で「最後じゃないっしょ」と軽口をたたきながら、自転車を飛ばしました。彼女の家につくと、いつも止まっていたステップワゴンもなく、家族で買い物に行こうとしたが「体調がよくないから」と家に一人に残ったという彼女に、嘘はありませんでした。お互い泣きながら語り合い、そのまま身体を重ねました。これで最後だね、と笑う彼女とのキスは、苦くて甘く、しょっぱかった。

 

 あれからもう何年も経ちます。彼女がどこに行ったのかも、今はどこに住んでいて、どんな生活を送っているのかも、何もわかりません。Facebookなどを使えば簡単に調べられるのでしょうが、最後という言葉に何も言えなかった僕にそんな資格はないような気がして。それでも忘れられないのは、思い出に縋っているからなのかなんなのかわかりませんが、ただ一つ言えるのは、彼女がいなければ今の僕は存在していないということです。

 

 「アイドル」という言葉には、「偶像」という意味があります。偶像というのは、神や仏を形どった崇拝の対象となる像のことを指します。僕の人生において、彼女の存在は崇拝という感情こそ抱かないものの、頭の片隅に、神や仏のように、ある種の概念となって存在しています。別れたあの日から、彼女が何をしていて、どこにいて、どんな人になっているかも全く想像もつきませんし、僕も忘れようとしています。こんな僕を好きになってくれて、尽くしてくれた彼女です。連絡もしないし、向こうから連絡がないのは、興味がないだけだとは思いますが、お互い忘れようとしているからこそできていることなのかもしれない、と思うのは僕の思い上がりでしょうか。

 

 今となっては、存在していたかすらわかりません。

 

 おわり

 

今週のお題「私のアイドル」

 

仏像の基本

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