Kaguyatom

(Explicit)

The Art of Point Guard

 今回の記事は某ブログにNBAファンとして寄稿させてもらった記事になります。バスケットボールについて書いたので、バスケットボールについて知りたい方はご覧ください。

 

 


 

 

 今回のテーマは『ガード論』という、なんともまた異論と反論を集めそうなテーマになりました。

 え?「もはやポジションという概念が古い」?うるせえ、黙れ

 

さて、ガードというポジションを語る上で、三つのカテゴリーから見ることにしました。

  1. オフェンス
  2. ディフェンス
  3. バスケットボールIQ

の3点からガードが持つべきスキルについて持論を展開しようと思います。

 

①オフェンス

 まず、バスケットボールは点を取るスポーツである以上、オフェンスが最も大事です。「ディフェンスが~」「メンタルが~」とか正直どうでもいいですし、オフェンスのスキルを持っていることはNBAでは当たり前すぎてみんな軽く見てるでしょ?

 ガードが持つべきオフェンシブスキルには《パス》《ドリブル》がよく挙げられます。細かいことを言うと、パスにもパススピードやレシーブ位置などの技術も存在しますし、ドリブルにもキープ力など様々な要素が存在しますが、これらは《ボールハンドリング》としてひとまとめにしましょう。つまり、ガードがまず第一に考えるべきはこれなわけです。

 では、そのボールハンドリングで僕が特に重要だと思うものを紹介しましょう。それは、

  • ボールキープ力
  • パススピード

です。ボールキープに関していうと「当たり前だろ」と思うかもしれませんが、NBAのトップレベルのディフェンスに対してボールをキープできるのは非常に大事です。…おい、聞いてるのかラーキン?おい!

 パススピード、これはCP3やウォール、レブロンのパスを見るとわかりますが、スピードがめちゃくちゃ大事です。針の穴を通すようなパスでもディフェンスが反応できたら意味ないわけで、ちょっぱやパスを出す必要があります。アシストにつなげるには。ちょうどGSWとOKCのシリーズを見てるとわかりますが、GSWはパススピードが遅いのでスティールされたりシュートをリズム良く打てなかったりしてます。残念ですね。

 ここまで見て大体わかったと思いますけど、要は《TOをしない》ことが大切なわけです。TOというのはしてしまうものではありますが、ボールキープと速いパスを意識するだけで2個は減るでしょう。ウェストブルックならたぶん4個減ります。ラーキンならシーズン平均TOが0.5を切ります。そのくらい大事だと思ってください。

 さあ、ここでこのオフェンス項目の最初の文章を見てみましょう。そうです。「バスケットボールは点を取るスポーツ」なのです。ボールハンドリング能力が最も大事なスキルであるとしたら、スコアリング能力は最も基本的なスキルであると言えます。つまりガードだけでなくすべてのポジションの選手が持つべきものだということです。ただし、ガードに関しては必ずしもリーグトップレベルのスコアリング能力である必要はないと考えています。「フリーなら確実に決める」程度の能力で十分でしょう。

 

②ディフェンス

 ラッセル・ウェストブルック、クリス・ポール、マイク・コンリーなど、リーグを代表するPGには必ず高いディフェンス能力があります。ディフェンス能力はバスケットボールにおいてクリティカルなものである以上、「ディフェンスが上手じゃなきゃならない」みたいなことは言いません。いやだって当たり前でしょ?

 個人的に、ガードに一番大事だと思うのは《ボールプレッシャー》です。ボールプレッシャーをかけるといっても、抜かれないことは大前提ですが。抜かれるくらいならプレッシャーはかけるべきではないです。しかし、ボールプレッシャーはチームディフェンスのクオリティを高める一番の要素です。パスをワンテンポ遅らせたり、ドライブを遅らせたり…そういう積み重ねが大事です。ちなみに、クリスポールとマイクコンリーのスティールはほとんどプレッシャーからです。なぜスティールできるかといったらこれはカバーリングのスピードでもあるんですが、それもボールへの反応の良さが成せる業でしょう。

 ガードはしばしば、ボールマンにつくことが多いためか、ディフェンスで流れを変える必要があると言われます。これはスティール、ブロックなどディフェンスのワンプレイに目が行きがちですが、そうではありません。ボールマンに対するプレッシャー、速いカバーリングによって、相手のオフェンスのリズムを少しずつ崩すことが、流れを変えるために最も必要なことでしょう。その結果としてのスティールやブロックであると考えてもいいです。オフェンスでの少しの「気持ち悪さ」「流れの悪さ」が蓄積していったとき、シュートは入らなくなり、悪い形で終わったオフェンスに引っ張られる形でディフェンスも悪くなります。この時初めて「流れが変わった」といえるのではないでしょうか。

 ここでクリスポール大先生のディフェンスを見てみましょう、すごいですね

www.youtube.com

 

 

③バスケットボールIQ

 『basketball IQ』で検索すると、こんな文章が出てきました。

the ability to make the right play at the right time

 「正しいタイミングで正しいプレイを行う能力」と訳せますが、つまりそういうことです。

 ミスマッチができている、シューターがオフボールスクリーンを使っている、残り時間が40秒だ、1分半点が動いていない、などなど、様々なタイミングがバスケットボールには存在しますが、そういったタイミングで正しいプレイが選択できるかどうかが鍵になってきます。シュートなのかパスなのか?それともドライブなのか?ドライブするとしたら右か?左か?パスするなら誰に?バウンズか?ロブか?ノールックか? 様々な要素を含む一瞬で、正しい選択をしなくてはいけません。この『一瞬の判断力』で、得点につながるかTOになるかが決まります。TOの多い選手はこれがよくない場合が多いです。

 NBAファン御用達のThe Players Tribuneにビラップスの記事がありましたね。そこにこんな一節があります。

 You’ve got K.G., who’s our best scorer — 21, 22 per. You’ve got Wally, who’s our second-best scorer — 17, 18 per. If K.G. don’t have 12-to-14 points at halftime, and if Wally don’t have 8 or 9 — then I’m not doing my job. End of story.

  これはテレル・ブランドンがビラップスに向けて言ったことですが、PGがやるべきことのすべてを示していると思います。『誰が何点取るべきなのか』ということは、ゲームの流れを作る上で最も大切なことでしょう。

 NBAでは、1つのチームに数え切れないほどのセットプレイが存在します。そのそれぞれに1stから3rd、4thくらいまでオプションを設定しており、どのプレイをコールするかで誰が点を取るチャンスを得ることができるのかを選択できます。なので、残り時間や点差、選手の調子、同じセットを何回使ったか などを見てどのプレイをコールするかが、そのガードの『ゲームメイク力』を計る指標になります。『流れを読む能力』とも言えるでしょうか。これがゲームメイクね。OK?

 その点でやはり優れているのはジェイソンキッド、フィッシャー、クリスポールでしょう。『チームを勝たせるPG』には、必ずこの『ゲームメイク力』があります。毎試合選手の平均得点が動かないのがそのゲームメイクの特徴です。選手の調子によって前後することはありますが。実際上記三人はチームを勝たせてますよね?クリスポールはどうせ晩年には優勝してるよ、うん。

 そして大事なのは、バスケットボールIQとは『一瞬の判断力』と『ゲームメイク力』の両方を合わせたものだということです。ガードが持つべきはこのバスケットボールIQであり、それがよければ必ず勝利に近づくはずです。逆に言えば、バスケットボールIQの高くないガードがいるチームは負けやすいです。

f:id:Kaguyatom:20160526203941p:plain

(画像に他意はありません)

 以上が僕個人のガード論になります。質問やコメントございましたら、僕のTwitterまでよろしくお願いします。書き終わった後で一応読み直して推敲しますが、どうせ「あ、あれ書いてない」とか「これも書いてない」とか出てくるので、反応ください。よろしくお願いします。

以上です。ありがとうございました。

 

 


 

 いずれは僕が以前書いていたバスケ関連についての記事もすべてこのブログに移したいと思います。こんな長い記事を読んでいただき、ありがとうございました。