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大地の怒り、僕の怒り

 「小さいころ、よくお兄ちゃんとおーちゃん(僕のあだ名)と三人で独自の武器を作って遊んで、戦っては、片づけをしないで、外に締め出されてましたね。」

 

 姉が結婚しました。正確に言うと入籍したのは去年なんですが、「結婚式だから」と地元に呼び出されたのはつい一か月前のことです。披露宴の最後に姉から家族に向けた手紙で、三兄弟の仲のよさを上の文章で表していました。タイトルの「大地の怒り」というのは、三兄弟がよくプレイした格闘ゲームである『闘神伝』のキャラクター、ラングー・アイアンの技の一つで、持っていた金棒(グラフィックの都合上フライドチキンにしか見えない)を地面にたたきつけ、その衝撃波をぶつける技です。もちろん、独自の武器の一つにこのフライドチキンは含まれています。ちなみに、三兄弟が作った武器で最強だったのは吹き矢でした。

 

 思えば、これは僕が参加した初めての結婚式で、こっちはこっちで用事があったけど親族が参列しないのはヤバいから、と渋々帰国しましたが、今はこれでよかったと言えます。ただ、結婚式に参加して気に入らなかったことがあったので書こうと思いました。

 

 

 僕は音楽が大好きで、それはツイッターを見ている人なら知っていると思うんですが、アメリカにちょっと行ってたこともあり英語が得意なので、洋楽をよく聞くんですね。洋楽リスナーにありがちな「意味は分からないけどカッコいいから」とか「ノリがいいから」とかそういう理由は僕にとって3%程度で、残りの成分を説明すると、43%が「リズム感及び音楽理論的に優れている」、25%が「歌詞がいい」、18%が「特殊だから」、残り11%が「その他」となっています。僕の家族でも特に姉は僕が音楽好きであることをよく知っていたため、僕に「結婚式に流せそうな曲教えて!」と言ってきたのです。女の子に「おすすめのパソコン教えて!」と言われると必死になって探しておすすめのリストなんかを作ってしまうような僕です、もちろんたくさんの曲をおすすめしました。

  結婚式も無事終わり、披露宴会場に入ると、アナウンスの後に新郎新婦が入場しました。その時のBGMはブルーノ・マーズの『トレジャー』でした。これは僕がおすすめした曲の一つで、内容はタイトルの通り「君は宝物だよ」というようなものです。ずいぶんとストレートな選曲だな、と少し恥ずかしくなりましたが、自分が選んだという事実もあり喜びになりました。その後は映画『ドリーム・ガールズ』から『ラブ・ユー・アイ・ドゥ』やクリス・ブラウン『ウィズ・ユー』、アリシア・キーズ『イフ・アイ・エイント・ガット・ユー』などハッピーな曲が流され、これらが自分のおすすめであることで優越感に浸りながらお酒を飲みました。

 しかし問題は結婚式場で流れている音楽でした。これは結婚式でも披露宴でもないため自分たちでどうにかできる問題ではないのですが、式場のスタッフが控室など式場全体に流していた曲はブルーノ・マーズ『ウェン・アイ・ワズ・ユア・マン』だったので、姉が僕のおすすめを使ってくれたことに感謝しています。確かにこの歌の締めは「俺が彼女のためにやるべきだったことを今の彼氏がやってくれますように」みたいな深いラブに溢れた内容なのですが、曲の85%は未練に満たされているので、「今から私たち結婚します!イエイ!」みたいなところで流してほしくはなかったですね。式場から僕へのオファーが待たれます。

  ちなみに翌日、家族での食事とかいう用事の前まで、いつものように実家のDJを務めさせていただきましたが、そこでアクション・ブロンソン『ベイビー・ブルー』を流すと姉が「これめっちゃ流したかったわ」とか言い出したので、おすすめしなくてよかったな、と思いました。

 

 

 今年は夏休みが諸事情で潰れた関係もあり、年末まで実家に帰れないものだとばかり思っていたのですが、結婚式のおかげで実家に帰ることができました。結婚式に参加するのが初めてということもあり、ウキウキしながら電車に乗りました。前日入りを強要されたために実家に着いたのは夜中でしたが、なかなか寝れなかったのを覚えています。結婚式が夕方からだったので午前中は暇で、家族で出かけたりしていましたが、そこで結婚する姉に会いました。すると、姉に「歯、黄色くなったね」と、久しぶりに帰った地元で子供の頃よく遊んでいたけどなんとなく疎遠になってしまった女の子となぜか再会し、びっくりし距離感を掴めないながらも「かわいくなったね」と言う感じのテンションで言われました。しみじみ言うんじゃないよ

 「顔、性格、歯の白さ」と言われるほど大事な白い歯。彼女どころか友達すらいない僕にはそれがありませんでした。何事も気づきは大事(だいじ)ですが、兄弟くらいしかその気づきを与えてくれる人がいないのは大事(おおごと)です。現在はホワイトニング系の歯磨き粉を使い白い歯に邁進しています。あとはお互いに気付きあい協力し高めあっていける女の子の募集が終われば完璧ですね。

 

 そろそろ締めなのですが、結婚式前に兄弟や親戚と並んで撮った写真を見ると、兄と僕の顔の大きさが違い過ぎて本当に兄弟なのかどうか疑いがあります。しかしマツコ・デラックス深田恭子が姉妹であることを考えるとこういうのもアリだと思うので、安心しました。

 

以上です。