Kaguyatom

(Explicit)

81mハードル

 

 今週のお題は「受験」です。受験のことを思い出すと、僕は一般からはズレるんだろうな、と思い、俺は「特別」だ……という考えを持ってしまいます。嘘ですけど

 

 現在私は大学生ですが、大学には英語で入りました。英語の試験と、面接。面接は集団面接で、隣のヤツがめっちゃ面白かったこと、そしてその面白かったヤツも受かっていたこと、そして別の(恐らくより上の)大学に行っただろうこと、このそれぞれで笑ったことを思い出しています。最初のやつは面接中なので、本当だったらたぶん笑ってはいけないんですけど。今でこそドキュメンタルで鍛えられているけど、基本的にはゲラだから……

 

 高校三年で海外に留学しました。まあアメリカなんですけど、バスケやっていたりヒップホップ好きだったり、とにかくアメリカに行きたくて仕方がなかったです。以前の記事で「僕はアメリカの空気を吸うだけで高く飛べると思っていたのかなぁ……」と谷沢のサンプリングをした記憶があります。今の僕は、いや俺はもっとヒップホップなので、「アメリカ行ったら超Fly High」といったところでしょうか。ワッサーマイメン。

 

 アメリカの高校では9月スタート6月終わりが一般的なのでしょうか、三年で留学に行ったということは、本来大学一年生である年の夏に帰国するということになります。そこから高校に戻るか、卒業して自分で勉強するかという選択を迫られたとき、予備校に通うという第三のオプションを選択しました。そこで英語の勉強と面接や資格試験の対策をし、無事今の大学にしか受からず、今に至ります。レベル的には一番低かったのに第一志望でした。他の生徒達には「なんで?」と何回か聞かれましたが、「近いから」とここでもスラムダンクのサンプリングです。近いも何も、地元が群馬である時点で普通にどこも遠いし変わらないんですけど、当時は本当にバスケットボールが好きだったんでしょう。ちなみに、今のバイト先はこの予備校です。スラムダンクは今でも好きです。

 

 入学すると、勉強へのモチベーションの高さとバスケットボールへの愛で、あとは高校時代の思い出から、めちゃくちゃ尖っていました。栗です。髪形もソフトモヒカンだったので。今では痛い大二病患者で、変に落ち着いていて、むかれちゃいました。人は成長する。最初から友達を作ろうとせず、部活・サークルの勧誘にも揺れずバスケ部一筋で、たまにできる友達にも面接のときの話をすべらない話として披露し、ややスベりで「ウケた」と思っていたあの子も、今ではフードを被り足元を気にして歩いています。人は、成長する。

 

 大学1年の終わりに転機が訪れます。単位を落としまくるのです。今まで勉強をせずに生きてきたツケがきて、「俺は頭がいいのか?」という自信に似た感情として持っていた小さなものも、すっかりしぼんで、心の片隅に浮かんでいます。大学二年になっても部活と勉強の両立ができず、結局持ち直すこともなく生きています。生きているだけで幸せ。

 

 幸せには人それぞれの形があります。人はなぜ不幸になるのか、と考えたとき、それは自身が描く「幸せのイメージ」と現在の自分がかけ離れているからではないか、と思う時があります。ハッパ吸ってハイになって、高い車を乗り回し、一晩で100万使うみたいな生活が幸せと思う人もいれば、今ご飯を食べているだけで幸せ、という人もいます。この両者を比較したとき、違いとして見えるのは、幸せのハードルの高さじゃないでしょうか。変に自分の可能性を信じてみたり、メディアが見せる幸せのイメージだったりと、幸せのハードルが高くなればなるほど、それを超える高さに到達する可能性は低くなります。そして、その高さに到達できないと実感したとき、人の心は案外簡単に潰れてしまったり、壊れてしまったりします。これから何十年と続くであろう人生、幸せである方がいいに決まってます。一回開き直って、ハードルを思い切って下げてみると、違うものが見えてくるのかもしれませんね。

 

 幸せなので、ここですべらない話を一つ。

 入試における面接では、集団面接で、3人一組のところ、受験番号順なのかわかりませんが、2人一組で受けることになりました。聞かれた質問は全部で三つ。「志望理由」「在学中にやりたいこと」「将来の目標」です。僕は予備校での指示もあり、一問一答形式で用意していた答えを繋げながら回答しました。一緒に入った子は、学校で練習してきました、みたいな、まんま原稿読み上げてる、みたいな回答をしていました。お葬式の時に虫がハゲたおっさんの頭に止まって笑ってしまうように、人は緊張していたり、張り詰めた空間にいると、普段だったら絶対に笑わないことで笑ってしまう傾向にあります。面接中で緊張していたのもあり、その原稿を読み上げているはずなのに3文字に1回噛んでしまう子に、すでに下唇を噛んでいました。英語の能力を使って大学に入るわけですから、もちろんみんな英語ができるというアピールはしたいはずなんですが、「3歳から5年間海外で…」くらいに留めておけばいいのに、練習したから言いたかったのか、三問目の将来の目標と関連があったのか、はわかりませんが、佳境に差し掛かったところで、突然発音良く彼が当時通っていたインターナショナルスクールの名前を言ったので、吹き出しそうになってしまいました。一緒に受けていた身として、彼は受かるのか微妙なところだったと思ってしまいましたが、合否発表一覧には、彼のものと思われる受験番号が載っていました。未だに、彼の姿は大学で見かけません。

 以上です。

 

 喋っても面白くないのに、文章にして面白いわけなかったですね。これだったら、わざわざ最寄り駅のホテルに泊まって試験に備えたのに、当日寝坊して受けられなかった僕の話の方が面白いかもしれない。

 

 そんな、試験当日に寝坊してしまうような僕でも現在大学三年生です。しかもテストと闘いながらブログを書き、日本で超Fly Highしようとしています。本当だったら今頃勉強してなきゃいけないんですが、ついつい。

 

 おわり

 

今週のお題「受験」

 

 

Good Luck
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