Kaguyatom

(Explicit)

ゆくアルバム、くるアルバム 2020

 

 軽井沢アウトレットで彼女が他の男と歩いてました。どうもKaguyatomです

 

 気が付いたらもう年の瀬で、この時期(『ゆくアルバム、くるアルバム』の時期)が来ていました。このブログももうほぼ 無 と化しており、書くこと・書けることは腐るほどありつつも、時間的・精神的コストに負け、書けていないですね。「書く」という圧倒的なアウトプットがなくなっているおかげで日本語の能力がなくなっていて、最近は「やばい」のほかに使える形容詞・副詞が「めちゃくちゃな」「ゴリゴリな」「べらぼうに」などに限られてしまっています。ここに関しては英語のほうが堪能かもしれない

 

 さあ、ということで『ゆくアルバム、くるアルバム 2020』の開幕なんですが、なんとなく今年は最初に「今年聴いたアルバム」を列挙してから始めようかなと思います。理由?…なんとなく

 

前回↓

kaguyatom.hatenablog.com

前々回↓

kaguyatom.hatenablog.com

 

 


今年聴いたアルバム

  • Anderson. Paak - Ventura
  • Anoyd & Statik Selektah - Yuck!
  • Apollo Brown - Sincerely, Detroit
  • Ari Lennox - Shea Butter Baby
  • Beast Coast - Escape From New York
  • Big K.R.I.T. - K.R.I.T. IZ HERE
  • Billie Eilish - WHEN WE FALL ASLEEP, WHERE DO WE GO?
  • Blu & Oh No - A Long Red Hot Los Angeles Summer Night
  • Bun B & Statik Selektah - Trillstatic
  • Cantrell - DEVIL NEVER EVEN LIVED
  • Chance the Rapper - The Big Day
  • Clear Soul Forces - Still
  • Common - Let Love
  • CRCK/LCKS - Temporary
  • Curren$y & Statik Selektah - Gran Turismo
  • CZARFACE & Ghostface Killah - Czarface Meets Ghostface
  • Danny Brown - uknowwhatimsaying¿
  • Dave - PSYCHODRAMA
  • Denzel Curry - ZUU
  • DJ Khalid - Father of Asahd
  • Doja Cat - Hot Pink
  • Drake - Care Package
  • Dreamville & J. Cole - Revenge of the Dreamers III
  • DUCKWRTH - THE FALLING MAN
  • Earl Sweatshirt - FEET OF CLAY
  • EARTHGANG - Mirror Land
  • Freddie Gibbs & Madlib - Bandana
  • Gang Starr - One of the Best Yet
  • Ghostface Killah - Ghostface Killahs
  • Griselda - WWCD
  • Injury Reserve - Injury Reserve
  • JACKBOYS & Travis Scott - JACKBOYS
  • Jaden - ERYS
  • KANDYTOWN - ADVISORY
  • Kanye West - JESUS IS KING
  • Kevin Abstract - ARIZONA BABY
  • Khalid - Free Spirit
  • Little Brother - May the Lord Watch
  • Logic - Confessions of a Dangerous Mind
  • Murs, 9th Wonder & The Soul Council - The Iliad is Dead and the Odyssey is Over
  • Nas - The Lost Tapes 2
  • PJ Morton - PAUL
  • Plays & Statik Selektah - Piecework
  • Rapsody - Eve
  • ScHoolboy Q - CrasH Talk
  • Skyzoo & Pete Rock - Retropolitan
  • Snoop Dogg - I Wanna Thank Me
  • Solange - When I Get Home
  • Tobe Nwigwe - Three Originals
  • Tobe Nwigwe - TOBE FROM THE SWAT | THE LIVE EXPERIENCE
  • Tyler, The Creator - IGOR
  • Wale - Wow... That's Crazy
  • YBN Cordae - The Lost Boy
  • 2 Chainz - Rap or Go to the League
  • 9th Wonder - Zion IV
  • ジェニーハイ - ジェニーハイストーリー

 総勢56枚のアルバムの中から、10枚セレクトして紹介します。

 

 


 ゆくアルバム、くるアルバム 2020 TOP10

  第10位からの発表です。どうぞ

 

  1. Little Brother - May the Lord Watch

    littlebrothernc.com

    My mans hit me up and said
    "Tonight, dawg, we celebratin', my son is goin' to college"
    I said, "Congratulations"
    He said, "Nah, you don't get it, it's two graduations
    Him from high school and me from child-support payments"
    (Blackness)

     まず第10位です。Little Brotherといえば、昨年の『ゆくアルバム、くるアルバム』18位に輝いたPhonteと、Big Pooh、そしてマイ・フェイバリット・プロデューサーである9th Wonderの三人組のユニットですね。しかしながら、今回のプロダクションには9thは関わっておらず、代わりに9thの友達(Khrysis、Nottzら)がビートを担当しています。KhrysisもNottzも9thが設立したプロデューサー集団・The Soul Councilのメンバーなので、ますます「9th一曲くらい作ったれよ」という思いが拭い去れません。ただKhrysisもNottzもですしもう一人であるFocusもみんな作るビートべらぼうにかっこいいし、全員特徴があって9th一人のプロデュースよりも色があっていいかもしれない

     結構こういうベテランにありがちなことなんですが、若手がよく言う「おれはこんなにすごいんだぞ」「おれを敬え」といった強気なメッセージは含まれておらず、ブラックであることに誇りを持ちただひたすらリスペクトを表明していながらもユーモアにあふれていて、非常に晴れやかな気持ちになります。これも1つのヒップホップのあり方だな、と本当に思う。あと単純にPhonteとBig PoohがKhrysisやNottzらのビートに乗ってるのがうれしい

     

     

  2. Nas - The Lost Tapes 2

    smarturl.it

    Every department searchin' your apartment
    Ransackin' it, found four ratchets
    DEA jackets, we gotta escape the madness
    Haha, yeah, escape the madness

     伝説の男・Nasさんがリリースした『The Lost Tapes 2』が堂々の9位入賞。このアルバムの特徴といったら、「『The Lost Tapes』と呼ぶにはあまりにも豪華すぎること」です。クレジットに目を通すとわかりますが、The Alchemist、AraabMUZIK、DJ Dahi、Hit-Boy、Kanye West、No I.D.、Pete Rock、Pharrel Williams、RZA、Static Selektah、Swizz Beatzとただひたすら有名プロデューサーたちが名を連ねるという異常事態が起こっています。それにラップを乗せるのが有象無象のラッパーならまだしも、卓越したワードセンスとリリシズムでヒップホップ界を引っ張ってきたNasなわけですね。まじでおかしい

     こんな豪華な曲を未発表のまま終わらせるのはもったいなさ過ぎるし、でもそもそも『The Lost Tapes 2』の発表自体は2002年に行われたことなので、リリースまで17年かかってでも出してくれてよかった。ありがとうNas。ちなみにインタビューで、「『The Lost Tapes 3』を出す予定はある?」とか聞かれたときに、「出す予定あるし、待つとしても17年よりは短いよ」といってました。本人も自覚はあったらしい。これからもがんばってほしい

     

     

  3.  YBN Cordae - The Lost Boy

    The Lost Boy

    The Lost Boy

    • YBN Cordae
    • Hip-Hop/Rap
    • USD 6.99

    music.apple.com

    And it's kinda my only option, maybe my decisions
    Haven't really been the best, but this my life I'm livin'
    Although it seem so bittersweet when you ain't got nothing to eat
    And Sallie Mae callin' your phone for like the fifth time this week
    All your bills overdue, all your bitches over you
    Only one option remains, you just gotta show and prove

     続いて8位にランクインしたのは大阪なおみの今カレ・YBN Cordaeの『The Lost Boy』です。YBNファミリーの中で唯一いい曲が多いCordaeですが、YouTubeのPVなどのコメント欄には大体「こいつは名前から”YBN"を取るべき」とか書いてあります。それくらいラップがうまい。最近の若手では本当に一番見所があって、確かなリリシズムとそれに裏付けられた深いテーマがあるのがCordaeのいいところです。フリースタイルもできるんだよね

     このアルバムはCordaeのファーストアルバムであり、弱冠22歳のラッパーとしてはかなり謙虚なラップになってます。本人もインタビューで「このアルバムを聴くことで”自分とはどんな存在なのか””これからどんな存在になっていくのか”という問いを引き起こせたらいいと思っている」とか言ってて、同世代でアホみたいに強気なLil Pumpとは大違いだな、と思ってしまいました。謙虚な感じなのはJ. Coleの『1985』のリミックスを出したときにも滲み出てましたが(でもメッセージはそういうことじゃねーだろというものだった記憶がある)

     全体通して思うのは、Chance the Rapperの影響受けてるな、ということですね。もちろん『Bad Idea』でフィーチャーされてるのもあるので、一緒に作品を作っていく中でいろんな人に影響を受けながらこれからどんな方向に成長していくのかが楽しみなラッパーですね。しかも『Bad Idea』でサンプリングされているのがScarfaceの『On My Block』であることからもわかるように、90sとかのラップもめちゃくちゃ好きなんだろうと思います。Talib Kweliとかそこらへんの。なので、期待値もこめてこの順位です

     

     

  4. Dave - PSYCHODRAMA

    smarturl.it

    I don't know where to start
    But I just done my first psychodrama
    And I hope the world hears my craft
    I'm excited man, I pray you get to hear my craft
    From our childhood, our mother didn't hear me laugh
    I'm presenting you the future, I don't fear my past
    I ain't got a tattoo anywhere near my arms
    But best believe on my sleeves is where I wear my heart

     続いて7位は、イギリスのラッパー・Daveのアルバム『PSYCHODRAMA』です。「Psychodrama」は心理学用語で、「集団で即興の演劇をやらせることで患者の自発性・創造性を促進させる自己表現をさせる集団心理療法」だそうです。このタイトルに対するアルバムの入り方が本当に好きで、一曲目『Psycho』ではイントロで精神科医と思われる人の言葉を聴かせてから、彼の攻撃的な一面と鬱状態の二種類を1つのトラックに織り交ぜることで「双極性障害」とそれを治療するための治療法でありアルバム全体のテーマである「サイコドラマ」をうまく表現しています

     2曲目以降からは彼がどういう境遇で育ってきたのかをテーマごとに分けて説明していきます。例えば、2曲目『Streatham』は彼の生まれ育った土地の名前であり、3曲目『Black』は彼の人種と、それによる不平等を表しています。それを大量の比喩やダブルミーニングでラップしていくので、リリシズムという点で言えば本当に今年イチぐらいのレベルでした

     全体通してのプロダクションもアルバムのテーマにあわせたもので、ビートも最高にかっこいいものがほとんどなのがすごい。リバーブ強めなのも雰囲気を強調している

     ただ、普段アメリカ英語でしか聴いていないラップをイギリス英語で聞き取って意味を噛み砕いていくのはなかなかに大変で、耳触りという点で違和感をぬぐいきれなかったかな、というのがこの順位にとどまった理由です。なぜならこのランキングはおれのものだから

     

     

  5. Danny Brown - uknowwhatimsayin¿

    uknowhatimsayin¿

    uknowhatimsayin¿

    • ダニー・ブラウン
    • ヒップホップ/ラップ
    • ¥1528

    music.apple.com

    War on drugs was a chess game
    Was a pawn, guns drawn on my front lawn
    Just a young nigga, starin' down the corner
    Checkin' out the hustlers with the latest kicks on 'em

     Danny Brownは、以前からその能力の高さで評価をされつつも、イマイチ一発当てられないラッパーという感じでしたが、ついに『ゆくアルバム、くるアルバム』入りを果たしました。このアルバムでもう5枚目になるので、2枚目のアルバム『XXX』、3枚目『Old』以来のちゃんとしたヒットですね。なんというか、Danny Brownを他のラッパーと隔てるのはそのユーモアで、シングル曲である『Dirty Laundry』は性体験を汚い服とかけていて、わかりやすいコメディです。似てるところで言うとJ. Coleの『Wet Dreamz』みたいな感じですね

     プロダクションにはQ-Tipを迎え、加えてFlying LotusやThundercat、JPEGMAFIAなどのサウンド作りに定評のあるプロデューサーばかりですね。めちゃくちゃカッコいいかって言われると微妙なんですけど、Danny Brownの声とプロデューサー陣のサウンドがうまくマッチして非常に癖になるアルバムになってます。好き嫌いは分かれるかもしれん

     本当にユニークなアルバムになっていて、『Best Life』で”いかに自分がラッパーとして成功してきたか”や”いかに自分の生い立ちが厳しかったか”とかをラップしてはいるんですが、それでも”I'm living my best life”と言ってのけています。皮肉とも取れるんですが、なんかマジで言ってそうな感じもあります。サウンドだけでも十分楽しめる最高のアルバムです

     

     

  6. Dreamville & J. Cole - Revenge of the Dreamers III

    smarturl.it

    I make sacrifices, bloody sacrifices

     やはりこのアルバムは外せません。J. Coleがトップを務めるレーベル・Dreamvilleによるコンピレーションです。これはもう完全にパーティで、ハチャメチャに騒がしい『Wells Fargo』とか、メチャクチャなことを言い出す『Lambo Truck』とかがあったと思ったら、『Sleep Deprived』『Got Me』みたいなチル曲もあり、参加しているアーティストの個性のみで押し切る感じが、まさにDreamvilleのスタジオに遊びに行ったら全員いた、みたいな衝撃です

     そして必ず触れなくてはいけないのがラストの曲『Sacrifices』です。この曲でフィーチャーされているのがSmino、Sabaの二人で、それに加えEARTHGANGとJ. Coleの5人で構成されているこの曲は、今まで払ってきた犠牲と、それによって今の自分があることへの感謝を表しています。ビートも最高なんですよ本当に……

     「じゃあなんでこの順位なんだよ」と思うかもしれませんが、それは他のがよすぎるのと、”Skips”と”Repeats”と呼ばれる大体飛ばすやつとリピートするやつの差がでかいからです

     

     

  7. Rapsody - EVE

    smarturl.it

    More than a woman, real enough to rock the boat (Keep it real)
    I don't fit the status quo, blow they mind, Maseo (Keep it real)
    Really fine, I'm like another kind of fine you should know, uh (Keep it real)
    Get you somebody that can still do both (Real)
    Back and forth, that's somebody that can play both coasts

     Rapsodyのアルバム『EVE』が4位にランクイン。前作”Laila’s Wisdom”に続きまた最高のアルバムを出してくれました。Rapsodyはそのキャリアでずっと一貫したテーマでラップしています。それは「力強い黒人女性である」ということです。その証拠に、一曲目でいきなりNina Simoneをサンプルした『Nina』というパワフルな曲をカマしてくれます。Nina Simoneがそうであったように、単なるアーティストではなく、女性の権利のために活動する活動家であるということにアイデンティティがあります。時代は変わってもメッセージは変わらないんですね。そこからの曲も、曲ごとに一人の女性をテーマにしていて、本当にメッセージ性しかない

     そしてめちゃくちゃテンションが上がったのが、GZAとD'Angeloをフィーチャーした『Ibtihaj』です。GZAの『Liquid Swords』と同じサンプルを使い、それを9thがプロデュースをするとこうなるっていうのが聴けて最高に良いです。ジニアスのバースもめちゃいい

     それから、Rapsodyのアルバムとしては、ここまで完璧にまとまったものってなかったな、とも思ってます。元気な曲もいいんですけど、チルめな曲のほうがRapsodyの声って合ってるんですよね、今作はチルめ多くてそれもめちゃくちゃいい

     

     

  8. Tyler, The Creator - IGOR

    smarturl.it

    Are we still friends? Can we be friends?
    Are we still friends? Can we be– (Can we be friends?)
    Are we still friends? Can we be friends? (Yeah)
    Are we still friends?

     Tyler, The Creator、私大好きなんですけれども、これ本当によかった。『Cherry Bomb』あたりから雰囲気が変わり始めて、2017年の『Scum Fuck, Flower Boy』でこっちの方向にシフトしたと思ったら、今作『IGOR』は完全に12曲全部ラブソングでしたね。例えば『Cherry Bomb』収録の『F*****G YOUNG / PERFECT』とか、『Flower Boy』の『See You Again』とかも同じで、ラブソングだと完全にR&Bのリリックにテンポなのに、Tylerのプロダクションがいいアクセントを加えていて、ラッパーというよりももはやスモーキー・ロビンソンに近い

     あとリリック見ると本当にそうなんですけど、完全に同性愛者なんですよねTyler。PVに出てくるのもザ・白人男性といった人だし、何度か疑惑出るたびに否定してきたタイラーがここに来てこういうカミングアウトをするのは本当にオシャレ…… そういう意味ではフランク・オーシャンにも近い

     

     

  9. Freddie Gibbs & Madlib - Bandana

    smarturl.it

    Fuck the forty acres and the mule, they gave us niggas the evils
    Hot pots, spoons, and needles (Yeah)
    Sold a piece of crack to polices, Mario Van Peebles (Uh)
    Serving every prom queen and pookie with that vanilla smoothie (I was prom queen)

     5年ほど前にリリースされた2人のアルバム『Piñata』に続いて発表された今作『Bandana』ですが、Madlibがトラップに挑戦している新鮮なアルバムになっています。これも違和感無くてむしろそこらへんのトラップミュージックより全然カッコいいので、いかにトラップビートを作るのが簡単か、ということと、いかにMadlibの作曲センスがずば抜けているかというのがわかると思います。トラップっぽい曲である『Half Manne Half Cocaine』の次の曲が『Crime Pays』とめちゃくちゃオシャレな曲なのも最高です

     その他にも、Pusha-TとKiller Mikeをフィーチャーした『Palmolive』もエグいし、Anderson. Paakとの『Giannis』もやばい。一曲もハズレ曲がなくて、一瞬『モヤさま』かと思う瞬間はありますが、普通に聴いていくとアホみたいに首振れる出来になってます。なんかもうここまでくると「とりあえず聴け!」という感じになってくる

     

     

  10. Gang Starr - One of the Best Yet

    ingrooves.ffm.to

    Pick up the pen, write down the sins, cleanse
    Lay that shit down, play it for friends
    Make a few M's, then do it again
    J. Cole, who'd have thought you woulda been rhymin' with ghosts
    Guru flows forever like a diamond
    The most could never afford the precious jewels
    That's precisely why I'm blessin' you with clear-cut messages
    I'm destined to invest in urban sections where depression rules

     問答無用!1位!もう何も言うことなし!

     ぼくが影響を受けたプロデューサーは4人いて、Kanye West9th WonderJ Dilla、そしてDJ Premierの4人なんですね。プリモは本当に、ネタの使いどころがすごくて、それは例えば『Nas Is Like』とか『So Ghetto』とか『Who Got Gunz』とかまあ正直どのビート聴いてもわかることではあるんですけど、細かくチョップして、サンプルの形を残しながら、サンプル・ドラム・ベース・SFXの4つの要素だけでほとんどのビートを成立させる技術に完全に惚れているんですね。そういうの作りたいなーって思ってもできるもんでもないし、本当にすごい

     加えて、そもそもリリースした時点で勝ちではあったんですよ。なぜなら前作『The Ownerz』がリリースされたのは2003なので。しかも、2010年にラッパー・Guruが亡くなったことで、これはもう一生Gang Starrは聴けないのかな、とか思っていたわけですよ。リリースされていないGuruのラップや過去の音源から引っ張ってきて完全に新しいものを作り上げる手法は誰もやったこと無いと思うので、本当に感動した

 

 以上、『ゆくアルバム、くるアルバム 2020』でした。正直5位あたりから「とりあえず聴け!」なんでよろしく

 

 

 


 ゆくアルバム、くるアルバム 2020 佳作賞

 さあここからは、惜しくもTOP10入りを逃したアルバムを紹介していきます。順位はつけられない

 

  • Clear Soul Forces - Still

  オシャレ

 

  • Denzel Curry - ZUU

  イカつい

 

  • Griselda - WWCD

  カッコいい

 

  • Injury Reserve - Injury Reserve

  ユニーク。『Jailbreak the Tesla』がいい

 

  今までそんなこと無かったのに神を讃えだしたのでびっくりしたけどなんか感動した

 

  Skyzoo & Pete Rockって外すわけなくない?

 

  • 2 Chainz - Rap or Go to the League

  『Threat 2 Society』と『Money in the Way』だけでここまで来た。真面目なときの2 Chainzはかっこいい

 

  これも聴いてくれ。インストだけど本当にいいから

 

 


 おわりに

 以上18枚紹介しました。これが本当に悩んだところで、TOP10以外に挙げた8枚もめちゃくちゃよかったし、それ以外でもなかなかイイの多くて、特に下位のあたりは本当に悩みました……。『Retropolitan』とか本当によかったし、1ヶ月後とかには順位変わるんじゃないかな、ってレベルであると同時に、逆に上位陣はこのまま変わらないという気持ちもすごくて。普通にこの5枚は『2010年代のアルバム』とかに選ばれてもおかしくないやつらなので

 

 話が変わりますが、これで『ゆくアルバム、くるアルバム』は4年目になります。毎年続けるということは大事だなと思いました。前回「日本語とかトラップも聴けたらいいな」とか言ってますが結局聴いていないし、R&Bとかも全然聴いていなくて、逆に何聴いてたかなっつって思い出すともうヒップホップしか聴いていない。おれがもうヒップホップ。先日旅行に行ったときに、一日ヒップホップ聴かなかっただけで禁断症状出てなんかイライラしてしまって、夜中に一人で2時間くらい聴いてしまったし、ないとキツいということがわかった。それがたとえ十数時間だったとしても……

 

 毎年この記事を書くにあたって大体10個くらいの記事を参考にするんですけど、ウケるくらい記事によって色が違って面白い。なんか編集者の顔が見える。コーンフレークより生産者の顔が見えます。でもまあ56枚も聴いてると、大体どのアルバムというかランキングも「わかる~~」となるものが多く、なかなか面白いです

 

 みんなもヒップホップ聴け!とは言わんから、『ゆくアルバム、くるアルバム』やってください。というかコメントとかで教えてください。Twitterでもいいし。みんなのTOP10教えてくれ

 

 おわり

 

Zion IV

Zion IV

music.apple.com